アウトプットから始まる組織戦略
多くの事業と「新しいこと」にチャレンジする万燈は、事業の一部である焼肉事業にだけ邁進すると、他事業の顧客やすべきことを見失いやすいという課題があります。
また、リモート中心かつスピード重視の風土から、部門間における社内情報の正確な共有・更新に課題を抱えています。実際社内では、情報の共有や説明が不足し、いくつかの齟齬が発生していました。
会議の時間も取りづらく、かつリモート会議が中心となるのため、情報共有は必要最低限なものになりがちです。そのため、業務の目的や意図、各担当の悩み、工夫や気づき等、社内ナレッジの蓄積に繋がっていない課題も生まれていました。
頭の中を覗くことはできないため、本人からの「言語化」が必要です。しかし文章を書くことが苦手な人も多く、せっかくのノウハウを共有できないという課題もありました。
社内情報共有ツールとしてのWEBサイト
現況を打開する対策として、言語化による情報共有を提案しました。
情報共有ツールに自社のWebサイトを使い、第一フェーズとして「社内」をターゲットに、個々から情報をアウトプットし、共有することを目下のタスクとしました。
このご時世であれば、ここでSNSやグループウェアなどを選択される方も多いと思いますが、今回は敢えてwebサイトを選択しています。
ゴール設計:情報の蓄積で生む自社の強み
社内の情報を言語化してアウトプットできるようになれば、万燈全体の発信力が高まるだけだけでなく、SNS・動画等の横展開に繋がります。
SNSになるとどうしても情報量が少なくなります(その分楽です)が、「記事」を作成した場合は、そこに多くの情報が含まれるため、展開できる数(ボリューム)を圧倒的に増やすことができます。
この情報群をマーケットインの発想で見直せば、万燈が提供する新しいサービスの開発も可能になってきます。
このプロセスで設計された新サービスは、スタート時からターゲットが明確であり、SEO対策や発信メディアの選定も、確実性を上げて狙い撃ちできるようになります。
また、記事の蓄積は、純粋に自分たちが「やってきたこと」「歴史」が束となって「見える化」するので、価値の再認識やモチベーションの向上にもつながります。
アウトプットと言語化
様々な事業者様とのかかわりを持つ万燈は、「万燈」をメディア化することを意識しています。
そのため、「アウトプット」だけでは足らず、「言語化」が必要です。
「アウトプット」は行動や起こったことをただ書き出すだけのことを指し、「言語化」は、それらの事象から得た「体験」や「経験」を、相手に伝わるような言葉を選びアウトプットをするということです。
このように、「他者に伝える意識」をもってアウトプットするトレーニングは、私たちの日々行動そのものを、いっそう価値あるものへと高めるPDCAの役目も担います。
「発信」してもらう難しさ
しかしながら、やはり言語化はもとより、アウトプットを全員が行えるようになることは非常にハードルが高いと感じています。
そこで、アウトプットを補助する目的として、ヒアリングシートを作成しました。
しかし、その項目自体が難しいというご指摘もありました(笑)。
そのため、ヒアリングシートだけではなく「言語化を伴ったアウトプット」の自主学習はもちろんのこと、何かしらの実体験を踏むプロセスを用意しなければいけないな、と現在対策を考えています。
アウトプットの先に目指すもの
万燈における社会的価値の1つは、次世代のチャレンジャーに向けて、歴史の記録を提供できることだと考えています。
「新しいこと」にたくさん挑戦する万燈は、その情報を「言語化」したアウトプットによって、数多く蓄積することができます。
成功失敗に関わらず、確かな「今」を記録した情報は、必ずや有益なものになると信じて行動しています。
情報の連鎖がストーリーを生む
今の時代に最も大切なことは、サービスのストーリー(歴史)です。
「正しいこと」をアウトプットするのも良いのですが、「今」を記録していくこと。それこそがストーリー(歴史)です。作られたものではない本物のストーリーは、万燈を一層魅力あるものにしていくと考えています。
情報の長期的な発信継続は非常に難しいことです。
さらに、人が多様化し、社会が多様化する中で、大勢の情報を集約し、価値あるものにしていくことは、今まで以上に難しくなってくる時代でしょう。
だからこそ、自社の情報を集約し見える化すること、メディアとして発信することには、大きな価値があるのでは、と考えています。
成功よりも「失敗」の蓄積が万燈の宝
「新しいこと」チャレンジする万燈の歴史は、大半が失敗かもしれません。
しかし将来、成功した万燈が存在しているとすれば、その失敗まみれの歴史にこそ意味があります。
失敗を積み重ねた万燈の将来は、どのような姿なのでしょうか。
また、私たちと同じように、失敗しながらも多くのことにチャレンジする事業者や個人の皆様にとって、万燈の「歴史」が何かしらの力になれば嬉しいと考えています。