BS経営学(16)“売上を追う経営”から“お金を設計する経営”へ。経営者が変わるべき理由

ここまでの記事で解説してきた通り、「売上を上げれば経営はうまくいく」という考え方には限界があります。売上が伸びても、手元にお金が残らなければ会社は回りません。利益が出ていても資金ショートすれば倒産のリスクがあり、むしろ売上拡大が資金繰りを悪化させることすらあります。「売上至上主義」は、社長が現場で走り続けなければ維持できない構造を生み、事業のスケールや継続性を阻害するボトルネックにもなります。だからこそ、今求められるのは「売上を追う経営」から「お金を設計する経営」への転換です。本記事では、その構造的な違いと、経営者として変わるべき理由について具体的に解説していきます。
PL経営ではたどり着けない“自由”と“成長”
社長がプレイヤーであり続ける経営の構造的問題
毎日、現場で売上を追いかけ、数字を見ては一喜一憂する。そんな日々に、終わりが見えないまま走り続けていませんか?
PL経営にとどまっている限り、社長は“現場プレイヤー”であり続けざるを得ません。仕組みがないために自分が動かなければ売上が立たず、採用も教育も後回し。気づけば「会社の限界=自分の限界」という構図ができあがっています。
投資ができない=成長が止まる
人を増やしたい、広告をかけて集客したい、新たな事業にも挑戦したい。しかし「今月の支払い」「来月の税金」「入金が遅れている取引先」に思考を支配され、未来への一歩が踏み出せない。
PL経営では、資金が「残らない」構造のため、未来を見据えた戦略的な投資が常に後回しになります。その結果、社長自身も会社も、毎月同じ景色の中を走り続け、成長の足が止まっていくのです。
未来が見えず、常に「目の前の資金繰り」に追われる
「なんとかなるだろう」と思っていた5年前。「あと1年頑張れば」と自分を鼓舞していた3年前。気づけば、同じ悩みを抱えたまま何年も経っていませんか?
資金繰り表はいつもギリギリで、借入や入金予定に左右される経営。休みを取る余裕もなく、家族と過ごす時間も減っていく。それでも走り続けなければならない毎日。
しかし、BS経営に転換すれば、そのループから抜け出せます。
手元に資金が積み上がり、経営判断に“選択肢”が生まれる。借入も戦略的に活用し、未来のための投資ができる。そして、最終的には社長が動かなくても仕組みが稼ぐ状態を作れる。
経営者として、「お金の不安がなく、数字に追われず、自由な時間を持ちながら、会社が育っていく」。そんな理想を現実にする第一歩が、“PL経営の限界”に気づくことです。
経営者としての成長が、会社を“次のステージ”へ導く
PL経営に留まっていると、経営者は「目の前の売上」と「今日の資金繰り」に思考を奪われ、本来注力すべき“戦略的な判断”や“未来の設計”が後回しになります。一方、BS経営への移行は、社長自身が“設計者”として進化するプロセスでもあります。
資産・負債・キャッシュフロー・資本構成といった財務の言語を理解し、会社の未来像を数値で描く。その習慣と視点こそが、会社を次のステージへと押し上げる推進力になります。
「資金を残し、投資を行い、成長を設計する」
この一連の流れを“仕組み”として回し始めたとき、社長が現場を離れても会社がまわる、次のフェーズが始まります。
経営者も“ひとりの人間”として、自由と幸せを手に入れる
経営とは、自分を犠牲にすることではありません。
どれだけ志があっても、体力や気力には限界があります。自分が倒れてしまえば、会社も止まってしまう。そんな経営体制では、持続可能とは言えません。
BS経営にシフトすることで、まず“資金の余白”が生まれます。それは同時に、“心と時間の余白”にもつながります。家族との時間を大切にできる。自分の趣味に時間を使える。次のチャレンジに集中できる。経営者もひとりの人間として、自分の人生を生きられるようになるのです。
自由とは「会社を放棄すること」ではなく、「会社を仕組みで動かすこと」で得られるものです。
PL経営を抜け出したその先に、本当の意味での“経営者の幸せ”が待っています。
経営者は“プレイヤー”から“設計者”へ
自分が走らないと止まる経営からの脱却
社長であるあなたが現場で売上を作り続けないと、会社が回らない.。んな構造に、いつまで頼り続けますか?「今はまだ大丈夫」と思っていても、時間と体力には限りがあります。
会社をスケールさせ、持続可能にするには、「自分が走る経営」から「仕組みと数字で回る経営」への転換が不可欠です。これからの時代、社長は“プレイヤー”ではなく、“経営を設計する人”でなければなりません。
あなたは、経営を“設計する”準備ができていますか?
仕組みと戦略で「会社にお金を残す」
売上が上がっても、お金が残らなければ意味がありません。
あなたの会社に、利益がキャッシュとして残る仕組みはありますか?
BS経営では、「お金を残すこと」をゴールに据えた設計が求められます。
減価償却・税設計・資金調達・資産形成──そのすべてを、戦略の中で“組み合わせて設計”していくのです。
一時的な売上ではなく、継続的な利益とキャッシュフローを、あなたはどう構築していますか?
「稼ぐ・守る・増やす」を再現可能なサイクルにする
あなたの経営には、明確なサイクルがありますか?
稼ぐ→守る→増やす。この循環が機能している企業は、外部環境の変化にも強く、成長にも持続力があります。
BS経営では、高利益率事業で「稼ぎ」、税金や支出設計で「守り」、未来の投資で「増やす」。この3つのサイクルを再現可能な仕組みとして設計することができます。
今のあなたの会社に、その仕組みはありますか?
5年後のあなたは、今と同じように走り続けているでしょうか?
それとも、仕組みに支えられて、次のフェーズへ進んでいるでしょうか?
「経営は能力/センス」ではなく、「仕組み」で磨く時代へ
「孤独な経営判断」から脱却するという選択
多くの経営者は、これまでコンサルティングを受けるか、同じ状況の仲間に聞くことで、経営のヒントを得てきたと思います。しかし現実には、コンサルは高額で資金に余裕がなければ受けられませんし、信頼できる経営者仲間がいるとは限りません。しかも、仮に手法を教えてもらっても、それが自社に最適かどうかは「やってみないとわからない」。つまり、失敗リスクが高いというのが正直なところではないでしょうか。
万燈のBS経営は、そうした“場当たり的な経営手法”とは異なります。
私たちが提供しているのは、「経営の仕組み」そのものを学ぶ視点と設計力です。売上至上主義ではなく、「お金が残る構造」を仕組みとして構築する。税・資産・キャッシュフローを中心に、根本から会社を支える土台づくりを実現するための支援なのです。
「自力でなんとかする」は、もう卒業していい
経営者は、「困った時も自分でなんとかしなければならない」と思いがちです。
それどころか、「それができないなら経営者の資格がない」と、自分を追い込んでしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、それは誤解です。
“自力で全部やる”ことと、“学びながら設計する”ことは別物です。
本当に必要なのは、「自社に合った仕組みとは何か」「キャッシュをどう残し、どう活かすか」という経営の根本を学び、設計する力。経営者としての第一歩は、強がりを手放し、「学び、設計する姿勢」を持つことから始まります。
次回予告|「資産形成ロードマップ」で可視化する──3億円を目指すための全体戦略とは?
“キャッシュが残る会社”を通じて「稼ぐ・守る・増やす」の構造ができたら、次は“資産として何を築くか”を戦略的に描くフェーズへと進みます。次回は、3億円を目指すための資産形成ロードマップを分かりやすく解説します。
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