BS経営学(17)万燈式・資産形成ロードマップ|個人と法人の両輪で資産3億から目指す

「利益は出ているのに、手元にお金が残らない」「売上は上がっているのに資産が増えない」このような声は中小企業経営者からよく聞かれます。その原因の多くは、PL(損益計算書)中心の経営にあります。PL経営は「いかに稼ぐか」には強くても、「いかに資産を残すか」には無力です。ここでは、BS(貸借対照表)を軸とした万燈式の資産形成ステップを解説します。
万燈式・資産形成ロードマップ|個人と法人の両輪で資産3億を目指す
「利益は出ているのに資産は増えない」中小企業の構造問題
多くの中小企業では、売上や利益の最大化を追うあまり、内部留保や資産形成の設計が後回しになりがちです。結果、利益が出ても税金で消え、資産は積み上がりません。
特に、事業所得がすべて経営者個人に紐づく状態(=個人事業主や法人成り直後)では、「利益=課税対象」となるため、累進課税により手残りが大きく減る構造にあります。また、設備投資・減価償却・法人融資など、法人特有の戦略を活用できないことも、資産形成の足かせになります。
「稼ぐ=売上」ではない、「資産を残す」経営の重要性
経営のゴールは「利益を出す」ことではなく、「資産を残す」ことです。利益は一時的でも、資産は将来的な再投資・安定収益の源となります。
ここで言う資産とは、単なる現預金だけではなく、「再現性のある収益を生む構造」も含まれます。不動産といったオーナー業やストック型事業、資産管理法人などがその一例です。
3億円を明確な資産目標に据える意味とは?
「3億円」は、万燈が推奨するひとつの資産目標ラインです。たとえば、年利5%で運用できれば、年間1,500万円の不労所得が見込めます。これは多くの経営者にとって、精神的・時間的自由をもたらす水準です。
目標が定まれば、そこから逆算した経営・投資判断が可能になります。
万燈が提案する“8つのステップ”で進む資産形成
ステップ1|PL経営からBS経営へ視点を変える
利益重視から、資産と負債の構造に着目した経営へ転換。まずは現状のBSを可視化することがスタートラインです。
ステップ2|明確な目標資産額(例:3億円)を設定
目標なき経営は、ゴールのない航海と同じです。3億円という目安を設定し、逆算思考で資産戦略を設計します。
ステップ3|個人ではなく法人での資産運用に切り替える
法人の方が節税・融資・信用力の面で圧倒的に有利。個人名義から法人名義への切り替えが鍵を握ります。法人は「何かが整ってから」作るのではなく、早期設立が基本です。なぜなら、法人としての信用力・決算実績・融資実績は、最低でも3年は育成期間を要するからです。思い立ったらなるべく早く法人化する方が、長期的に見て圧倒的に有利です。
ステップ4|経理・財務知識を仕組みで補う
社長が数字を読む時間を減らし、判断に集中できる体制づくりへ。外部CFOや自動化ツールの活用が有効です。
ステップ5|税金対策とキャッシュフロー戦略を両立
節税だけを追わず、キャッシュの残る形に。減価償却や法人設計を通じて、手残りの最大化を図ります。
ステップ6|「収益を生む資産」へ投資
可動産、不動産や車両などに投資することで、安定収益と資産の増加を同時に目指せます。初期費用はかかりますが、収益性・償却・資産価値の面で優れた選択肢です。
ステップ7|「稼ぐ・守る・増やす」サイクルを仕組みにする
単発ではなく、資産が自走する仕組みづくりへ。法人内での資産回転モデルを確立します。
ステップ8|スケール拡大に向けた再投資戦略を持つ
収益を再投資に回すことで、規模の拡大とリスク分散を同時に実現。出口戦略も視野に入れます。
個人と法人を両輪で使い分ける「ハイブリッド構造」
最初は個人でスタートし、途中で法人化する戦略
副業や小規模ビジネスの立ち上げでは、初期は個人でも問題ありません。ただし、一定の利益水準に達したら法人化へ移行する判断が重要です。
「資産管理法人」として法人を使う意味と実例
本業とは別に、資産運用専用の法人を持つことで、管理・節税・継承がしやすくなります。実例では、不動産・太陽光・機械などを法人名義で所有し、経営の安定を図っているケースも。
「節税」「融資」「信用力」すべてに効果を持つ構造化
法人を活用することで、個人では得られないスキームが可能になります。特に融資や信用取引の場面では、大きな差が出ます。
資産3億円のその先へ──“レバレッジと仕組み化”の応用
法人財務設計による「未来に残るお金」の作り方
目先の利益よりも、未来に残る構造をどう設計するか。資産性のある支出と、消える支出の違いを理解することが肝要です。
可動産を活用したレバレッジ資産形成戦略
可動産はレバレッジを効かせやすく、比較的短期間で資産を回転させることが可能。金融機関との連携もポイントになります。
「社長が走らなくても回る」仕組み化された経営へ
人ではなく“仕組み”が働く経営を目指す。これは規模に関係なく、資産形成型経営の本質です。
次回予告|「可動産とは何か?」──新しい“動く資産”の正体を解説
可動産とは、収益を生み、レバレッジが効き、かつ流動性の高い資産カテゴリです。次回はその具体像や活用事例を深掘りします。
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