川崎OneParkマルシェ

本記事は、川崎市内における、地域住民が自由に利用可能な「One Park」という空地利用に関して、イベント活動の記録を振り返った内容です。

目次

なぜマルシェを実施したのか

「他者を巻き込んだイベントの実施」という観点と進め方

本プロジェクトにおける万燈の対外的な目的として、周辺住民への動員を行い、出店者を広く集め、今後の社外連携を加速させる狙いがありました。また、アフターコロナにより高齢者が外出しにくいなかで、

「どのような形態で運営すれば人は活動しやすくなるのか」

「マルシェという言葉でどこまで人を引き付けることができるのか」

についても、来場者データを収集したい意図がありました。

舞台の場は、「川崎ONEPARKマルシェ」。

従来の縁日スタイルに、地元の商店主にも声をかけ、万燈の敷地に共同出店してもらうことでマルシェを展開しました。

企画実行者は、若干21歳、大学3回生の小川さんでした。企画立案を1月上旬に実施し、万燈のメンバーの力を借りつつ、マルシェ出店店舗10社を配置し、マルシェ運営を無事に完了させることができました。

小川さんと打ち合わせを行う中で、参加店を集めるために、コピーライティング、広告チラシ、Smileレター内容、テレアポチーム、広告主募集営業を実施しました。また、マルシェに来場される一般ユーザーを集めるための広告チラシ、ポスティングも行いました。

「人材教育」という観点

本プロジェクトにおけるもう一つの重要な狙いとして、万燈における若手育成・チーム連携と、店舗への集客要素として必要な、新しいスキルの構築を目指す目的がありました。 具体的には「小川さん」という若手の人に、大きな裁量を与えて実施したことです。イベントは様々なスキルの集合体であり、これを若手に任せることで、学びと成長幅は大きいと考えました。

結果

結果として大成功に終わったマルシェですが、イベントとしてのデータ結果と、人材教育の視点から得られた「成功ポイント」と「改善点」について、それぞれ分析を行いました。

イベントとしての結果

<成功ポイント>

〇動員数が一日目500人、二日目600人となった

本プロジェクトに使用したコストは、本部人件費を除くと、チラシ代、FAXDM代、配布コストで、合計4万円程度でした。

従って、4万円で1100人、一人当たり36円で集客できたことになり、非常にコスパが良かったと言えます。

〇集客ツールの効率の違いが分かった

それぞれの集客ツール成果※は、

・チラシ配布2000枚で2組(0.1%)

・チラシポスティング(選挙マーケティング)600件で6件(1%)

・SNSDM20x25=500件で50名(10%)

という結果でした。ツールによる効率差が浮き彫りとなり、今後の活動形態に取り入れたいと考えています。

※目視できた分の集計なので、実際はもう少し効果があるかと思われます。

〇万燈の新しいコンテンツとして、マルシェ(イベント)が展開できた

従来の縁日スタイルだけでは、集客が100人程度と考えられます。新コンテンツ「マルシェ」は、万燈が行う事業の「集客における武器」として活用できると考えられます。

<改善点>

〇タイトなスケジュール

マルシェ企画実行までのスケジュールが、明らかにタイト過ぎました。

約1か月で企画、出店募集、チラシ制作、配布、運営、スタッフ確保を行うには日程的に厳しく、今後同様のプロジェクトを行う際には、最低でも2か月前には準備するべきと結論付けました。

〇最も大事なのは「コンセプト」

イベントは、コンセプトを創ることが重要であると理解出来ました。消費者がもとめるテーマを選び抜き、コンテンツをそろえるゆとりを持って事業を行うべきでした。

人材教育的観点の結果

<成功ポイント>

〇新人の小川さんが大活躍

小川さんの活躍は、万燈全員とのコミュニケーションを取り持ち、事業の中心となりました。この結果から、今後の「万燈リソース」を活用できる人材になったと考えられます。

また小川さんのパーソナリティーが伝わることで、一番若い存在の小川さんが、年配者を突き動かしました。

「若手の成長」「チーム連携」という狙いに合致した、素晴らしい成果でした。

<改善点>

〇全員の力を出し切れなかった

残念ながら、万燈の本部スタッフ全員が、全力でコミットしていませんでした。

これは本プロジェクトにおいて最も落胆した出来事であり、早急に直すべき課題です。

大変だったこと

プロジェクト成功の要因は、小川さんが獅子奮迅の活躍をしたことです。非常に精力的に、自分の持ちうるリソースすべてをかけて実施してくれました。

しかし学生であるが故、事業にコミットしすぎたせいで、親の説得が大変だったのではないかと考えられます。この点に関して小川さんに一任した形となりましたが、親御さんの気持ちに対する説明を行いました。

そんな中、マルシェ当日には、小川さんのお母様・ご祖母様にお越しいただくことが出来ました。

マルシェでの小川さんは他のアルバイトに細かい指示を出し、電話や口頭でリーダーシップを発揮していました。時には衝突しそうになりながらも、理性で抑え込む様子が印象的でした。

この様子を見守る親御様のやさしい眼に、万燈の仲間と働き成長する小川さんの姿が映ったと捉え、真のご理解を示して頂けたと感じました。

大変でもなぜやるか

万燈は、キャリアに関係なく、チャンスを与える会社です。

そしてチャンスを受け取ったスタッフは、それに全力で取り組み、周りも全力で助けようとする組織でありたいと考えています。

だからこそ、たとえ大変であったとしても、1人ひとりのマインドに、事業に対する役割の分担、スケジュール化を浸透させ、チャレンジ意欲をそぐことなく活動することが大切だと考えているのです。

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