BS経営学(7)設計型経営という思想|仕組みと再現性で経営者に自由と選択肢を

「売上は伸びているのに忙しさが増す一方」「利益が出ているのにキャッシュが残らない」——。そんな課題を抱える中小企業の多くは、経営が偶然や現場依存に委ねられており、意図的に“設計された”状態にはなっていません。本記事では、万燈が提唱する「設計型経営」という考え方と、それがなぜ経営者に自由と選択肢をもたらすのかを、構造的に解説します。

目次

なぜ「設計」が必要なのか?

成長を“運”に委ねるPL経営の限界

多くの企業が行っているPL経営では、売上や利益といった“結果”に基づいて経営判断がなされます。しかしこの方法では、目先の数字に振り回されやすく、再現性ある成長戦略が描きにくいという欠点があります。偶然の成功に依存せざるを得ず、安定した成長軌道を築くのが難しいのです。

経営者がプレイヤーであることの非効率性

「自分が動けば何とかなる」という発想は、創業期には通用しても、会社の成長が進むにつれて限界を迎えます。経営者が現場業務から抜け出せない状態では、戦略立案や中長期計画に手が回らず、結果として“現場依存型経営”から脱却できなくなります。

「設計型経営」とは何か?

未来から逆算して“構造”を組む経営

「今、どうするか」ではなく、「5年後、10年後にどうありたいか」から逆算して経営を設計するのが、設計型経営の根本思想です。売上目標、人材体制、資金調達、設備投資といった経営資源を、未来の姿に必要な要素として“構造化”することで、ブレない軸と計画性が生まれます。

「稼ぐ・守る・増やす」仕組みを会社に実装する

事業から安定してキャッシュを生み出し(稼ぐ)、資金繰りや税負担を最適化し(守る)、そのキャッシュを再投資して収益資産に変える(増やす)——この3つのフェーズを支える仕組みをあらかじめ設計し、経営のなかに組み込むことが「設計型経営」の要です。

「仕組みが稼ぐ」状態をどう作るか?

可動産に見る「動かす資産」としての設計思想

可動産は、従来の不動産と違って設置や活用、移動や売却がしやすく、戦略的な資産運用に柔軟性をもたらします。こうした「動かせる資産」は、時流に応じた収益機会を創出しやすく、経営における“アクションの自由度”を高めます。

CFO機能・法人スキーム・CF設計の再現性

財務戦略を支える外部CFO機能や、法人化による税・信用最適化、そしてキャッシュフローの可視化と設計。この3点が揃うことで、経営判断が感覚ではなく「数値に裏打ちされた論理」へと転換され、再現性のある成長が実現可能になります。

設計型経営がもたらす経営の自由度

意思決定の軸が「感覚」から「デザイン」に変わる

設計型経営では、個別の出来事に一喜一憂するのではなく、あらかじめ定めた設計に沿って意思決定が下されます。その結果、ブレない判断軸と、再現性の高い経営戦略が手に入るのです。

戦略的撤退・再投資・事業再構築が可能になる

将来のキャッシュフローや投資余力を見通せるようになることで、「この事業からは撤退すべき」「この分野に再投資すべき」といった判断が迅速かつ柔軟に行えるようになります。こうした“選択肢”の多さこそが、経営の自由度を生む最大の要因です。

次回予告|「なぜ“法人化”が資産形成の鍵となるのか?」

次回は、個人による資産形成に限界がある理由と、なぜ法人化がその打開策となるのかについて、税制・信用・レバレッジの観点から詳しく解説します。


経営に「設計」という視点を取り入れると、自由が生まれる

目先の売上に追われて経営が“行き当たりばったり”になっているなら、今こそ「構造から描く」設計型経営に転換すべきタイミングです。万燈では、【設計型経営】の考え方と、資産形成まで含めた支援体制を用意しています。 あなたの会社も「仕組みで稼ぐ」ステージに進みませんか?

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この記事を書いた人

株式会社万燈です。

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