BS経営学(19)手元キャッシュはなぜ増える?可動産投資の“減価償却×損益通算”設計とは

可動産投資は、税対策を目的とした手法と誤解されやすい側面があります。 しかし私たちは、それを一時的な節税テクニックではなく、財務戦略の一環として活用することに重きを置いています。 この記事では、可動産投資の減価償却や損益通算の仕組みを通じて、いかにして「手元に残るお金」を増やすかという構造的な視点をお伝えします。

目次

なぜ税効果が期待できるのか?仕組みの全体像

可動産の減価償却で「帳簿上の利益が圧縮される」

可動産は設備資産として、会計上「減価償却」が可能です。購入費用は数年に分けて経費として計上され、実際の支出とは別に帳簿上の利益を圧縮する効果があります。この仕組みにより、課税対象となる所得が小さく抑えられる可能性があります。

圧縮された利益を「損益通算」することで所得税・住民税を軽減

圧縮された帳簿上の利益により、所得全体が低く見積もられるため、給与所得など他の収入と損益通算を行うことで、課税対象がさらに小さくなります。その結果、所得税や住民税の軽減につながります。

還付や税額減少という形で資金に余裕が生まれる

すでに納税済みの金額が多かった場合は、確定申告によって還付されるケースもあります。また、課税所得が減少することで、翌年度以降の税額が圧縮される可能性もあります。

これは税制上認められた正当な手続きであり、「税負担の適正化」を目的としたものです。こうした減価償却や損益通算の仕組みは、可動産に限らず、他の多くの資産にも共通して活用されています。

「減価償却」の仕組みを理解する

可動産は“動産”扱い、耐用年数が比較的短い

可動産は車両や設備としての性質を持ち、比較的短期間で費用として計上しやすい資産です。この短期償却の仕組みが、経費化のスピードに大きな影響を与えます。

一括支出でも、帳簿上は分割経費化される

実際には初年度にまとまった支出があっても、税務上はそれを複数年に分けて計上します。ここで重要なのは、「キャッシュアウトと経費化のタイミングが異なる」ということです。

「キャッシュアウトのない経費」がもたらす効果

減価償却は、現金が出ていないにもかかわらず帳簿上は費用が増えるため、課税所得が圧縮されます。これは資金繰りの改善と税負担の最適化に直結します。

「損益通算」で税額が軽減される理

給与所得と事業所得の通算が可能(青色申告)

青色申告を活用することで、給与収入と可動産による事業所得を通算できます。これにより、課税所得が一部相殺され、結果として税負担が軽減されることがあります。

所得全体の圧縮が税額に与える影響

事業で生じた費用や減価償却が合算されることで、全体の課税ベースが減少します。これは可動産に限った話ではなく、たとえば不動産投資でも同様です。不動産物件を購入して減価償却を行い、賃貸収入から得られる利益があったとしても、帳簿上の利益は圧縮され、結果的に課税所得が下がる仕組みが働きます。

手元に残るキャッシュが増える構造

納税額が圧縮されることで、同じ収入でも実質的に手元に残る金額が増えることになります。これは可処分所得の増加につながります。

法人化による税効果の拡張

個人事業と法人では、税務・会計のルールにいくつかの大きな違いがあります。法人化することで、税負担の計算方法や経費の範囲、利益の処理方法などが拡張され、より柔軟かつ戦略的な財務設計が可能になります。ここでは、その代表的な拡張ポイントを3つに分けて解説します。

赤字の繰越期間が長期化される

法人化すれば、赤字は最大で10年間繰越が可能になります。たとえば初年度に収益化できなかった場合でも、翌年以降に利益と相殺し、長期的に税負担を平準化することが可能です。

経費計上できる支出の幅が広がる

法人では、役員報酬・福利厚生・社宅・保険料など、個人では経費にできない支出も適用可能になります。これにより、実質的な可処分利益を増やす設計ができます。

税率構造の違いが与える手取りへの影響

個人事業が累進課税なのに対し、法人税は定率課税で安定的です。この違いにより、同じ利益額でも手元に残るお金に差が生まれやすくなります。

投資の“実質利回り”に与えるインパクト

実質利回りとは、表面上の収益だけでなく、節税やキャッシュフロー改善など、最終的に手元に残るお金の総量から見た「真の収益性」を表します。

実質利回りとは(実質利回り=税後キャッシュ÷投資額)

この数値には、事業収益だけでなく、減価償却による課税所得の圧縮、損益通算による税負担の軽減、法人化による経費最適化など、複数の要素が影響します。

なぜ「残るお金」に注目するのか?

単に「いくら儲かったか」ではなく、「いくら残せたか」を重視することで、本当の意味での投資効率を測ることができます。可動産投資では、こうした複数の構造を組み合わせることで、キャッシュフローに貢献し、単なる事業利益以上のリターンが見込まれます。

財務戦略としての利回り設計

こうした設計は、節税を目的とするのではなく、健全なキャッシュフローを築く財務戦略の一環です。収益と税効果の両方を考慮した実質利回りの最大化を通じて、「キャッシュをいかに守るか・増やすか」という視点が重要になります。

だからこそ、表面的な利回りにとらわれず、構造で判断する姿勢が求められます。これらすべてを考慮し織り込んだ設計こそが、持続可能な資産形成の鍵となるのです。

こうした要素を一つひとつ丁寧に設計に落とし込んでいる点が、可動産投資という選択肢の構造的な強みでもあります。

次回予告|「年収600万サラリーマンが年収2,000万円へ」事例解説

次回は、可動産投資を活用したキャッシュフロー拡大の実践事例を取り上げます。高所得層がどのように税効果を活かし、資産構造を最適化しているのか、実例に基づいて解説していきます。

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この記事を書いた人

株式会社万燈です。

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