海外積立保険のリアルと、今あえて「日本円・投資立国」に目を向けるべき理由

日々、経営者や個人の方々と個別面談を重ねるなかで、本当に多種多様な投資商品・資産運用の実践例に触れる機会があります。
そのなかでも、最近改めて耳にする機会が増えているのが、イギリスや香港などを拠点とした「海外積立保険(オフショア積立)」に関するご相談です。
かつて知名度を高めたロイヤルロンドン(RL360°)などをはじめ、現在も形を変えてさまざまなスキームや商品が国内で提案されています。
今回は、この「海外積立投資の現場で起きているリアルな注意点」と、それを踏まえた上で「私たちが持つべき投資の視点・日本円の真の強み」について整理してお伝えします。
広がるトラブル――「日本居住者」が海外積立を買うリスク
結論からお伝えすると、海外積立保険そのものが一概に悪質な商品というわけではありません。海外居住者や現地制度に則った運用であれば、合理的な選択肢になり得る設計のものも存在します。
しかし問題は、「日本の居住者が、安易に海外の積立商品を購入してしまうケース」です。
現場の個別面談でも、以下のような深刻なトラブル報告が後を絶ちません。
・解約や出金を申請しても、複雑な手続きや規約を理由に引き出しができない
・画面上では順調に運用益が出ているように見えるが、実際の口座に反映・着金しない
・実態としてまともな運用が行われておらず、ブローカーや代理店と連絡が取れなくなる
もちろん中には健全な商品・仲介者も存在しますが、日本居住者の購入には法的な制限や税務上の論点、仲介業者の質など、見極めなければならないハードルが無数にあります。
「海外だから利回りが良い」「オフショアだから税金が優遇される」といったセールストークを鵜呑みにせず、まともな商品を見極める「目利き力」がこれまで以上に問われる時代に入っています。
なぜ今、海外なのか? 改めて見直すべき「日本円と投資立国の底力」
海外投資に目が向く背景には、「日本円の将来が不安だから外貨へ逃がしたい」という心理もあるはずです。
しかし、冷静にマクロの視点を持ったとき、「果たしてそこまでして無理に海外へ資金を移す必要があるのか?」という疑問が湧きます。
かつての大英帝国・イギリスのポンドが簡単には崩れ去らないのと同様に、日本円も世界市場において非常に強固な基盤と地位を築いています。日本は今や、世界でも有数の「潰れにくい投資立国」としての地位を確立しつつあるからです。
韓国経済との構造的比較に見る「円の強さ」
一例として、対韓国の目線で「ウォン」と「円」を比較すると、その違いは明白です。私自身、大学関係者や知見者と意見交換を行うなかでも、この構造差を強く実感します。
| 比較項目 | 韓国 | 日本 |
|---|---|---|
| 一人当たりGDP | 日本を上回る水準へ成長 | 賃金・成長率の停滞が指摘される |
| 産業・企業構造 | サムスン、LG、現代など一部の財閥・特定産業に過度に依存 | 裾野の広い多様な産業基盤を保有 |
| 対外純資産 | 蓄積が乏しく、為替防衛や有事のクッションが脆弱 | 30年以上「世界一の対外純資産」を維持 |
韓国は優れた巨大企業を擁する一方で、国全体の産業バランスの悪さや、有事の防波堤となる「対外純資産の少なさ」が将来的な不安要素として常に挙げられます。
対して日本は、過去60年〜70年にわたって蓄積してきた莫大な資本と、世界一を誇る対外純資産を有しています。日本という国は、世界屈指の「投資先進国(資本大国)」なのです。
なぜ日本人は「投資」に苦手意識を持ってしまうのか?
これほど盤石な資本基盤を持つ国に暮らしながら、なぜ私たち個人の多くは、
・「投資は怖い、よく分からない」と苦手意識を持ってしまうのか
・なぜ怪しい投資商品やブローカーの甘い話に引っかかってしまうのか
国家としての投資基盤は超一流でありながら、個人レベルでの「目利きの力」が育っていない現状には、強いもどかしさを感じざるを得ません。
このギャップを払拭し、個人の金融リテラシーと資産防衛力を引き上げることこそが、万燈(Banto)の果たすべき役割だと確信しています。
情報に踊らされず、構造を理解し、自分の資産を自らの手で守り育てる「鉄壁の投資ルール」を身につけることが何より重要です。
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